現地校通い。日本語での家庭学習を習慣にする4つの方法

こんにちは、海外在住子女専門国語塾のジョンソン綾です。

「のびのびと海外生活を楽しみながらも、帰国後の進路を見据えて、しっかり実力を身に付けていたい。」そんな希望をもつ小中学生のお子さんの、すべての教科の基礎となる国語力を伸ばすべく、一緒に国語の授業をしています。

友達と共に伸ばし合う超少人数での塾コースと、その子の個性や志望校、望む学習スタイルにがっちり合わせた家庭教師コースとの二つを、塾長自らが担当しております。

8歳の長女は、公立のモンテッソーリ小学校に通っているせいか、宿題は全くありません。

どうやら、5年生までは全くないようで、中学生になると、学校で終わらなかった作業を家で終わらせる宿題が、ちらほら出るそうです。それでも、全米で行われている、数学力と英語力を測るMAPテストでの平均点はなかなかいい感じだそうで、教育者として、宿題の在り方についても考えさせられています。




話を戻しますが、我が家は、子どもが小さいうちから机に向かう習慣を身に付けさせませんでした。彼女が、毎日、机に向かうようになったのは2年生になってからです。

そのため、初めのうちは、ぐだぐだ言うことが多かったのですが、ここ最近は、割とスッと学習に取り組むようになりました。今日は、我が家が、家庭学習を苦行にせず、よりスムーズに取り組めるようにするために意識した4つのことをお話ししたいと思います。





1 小学生の学習習慣を身に付ける方法1: ルーティーン化する



2002年、アメリカ心理学会のJournal of Family Phycologyで発表された研究によると、日々の生活におけるルーティーンは、人に感情的な安定感を提供し、不安を軽減するため、子どもにはより良い学習環境を作り出すそうです。

確かに、これは、新規採用職員として働き始めた割と早い時期に、先輩の先生方から教えていただき、私自身も、実感していることではあります。

学校へ行くと、毎日、決まった下駄箱に靴を入れ、決まった教室に入り、決まった机に座って、決まったロッカーに荷物を置く。決まった場所に宿題を出し、体育があれば、朝のうちに体操着に着替える。それが終わったら、自由に過ごす。そして、決まった時間になったら、静かに読書を始める…。

大人になると、そんな「決まりごと」(ルーティーン)を窮屈に感じる人もいますが、子どもたちにとっては、次の行動が読めるので、落ち着いて朝をスタートすることができていました。






それを、家庭学習にも、我が家は生かしています。学習時間がいつ始まり、いつ終わるかを把握していると、子どもは落ち着いて勉強に取り組みやすくなります。

「何時」と時間を設定することは、我が家の事情には合わなかったため、どのタイミングでするのかを模索しました。学校から帰ってきてすぐ、弁当箱を出した後、テレビを見る前、テレビを見た後、自由遊びをした後、夕ご飯の前… 

色々と試行錯誤をした結果、「夕ご飯を食べた直後」というタイミングが、今の長女にとっては合うようだと分かり、そうするようになりました。

学習のタイミングが定まらず、ルーティーン化されていないときは、うだうだすることの多かった長女も、最近、ようやっと落ち着いて学習に取り組むようになりホッとしています。

彼女にとっては、「腹が減っては戦はできぬ」といったようで、毎日楽しみにしている、日本語でのテレビを見る前のワクワク感ではあまり頑張れなかったのが、ご飯を食べてからの満足感からはモチベーションが上がっていました。

これはお子さんによって異なるところです。ぜひお子さんのベストタイミングを色々と試してみてくださいね!







2 小学生の学習習慣を身に付ける方法2: 1週間に取り組むものを決めておく



終わりのないゴールをただただひたすら走り続けるのは、フツーの人間にとってはなかなか厳しいことです。

「今日は、これをやる」と計画を立てたり、「私は、正確に計算をできるようになりたい。」などと目標を立てたりすることが、自らできるお子さんにとっては、この章は必要ないでしょう。なぜなら、もう、目標があるので、あとはそこに向かって計画通りに走っていくだけだからです。






しかしながら、我が家の娘も含めた多くのお子さんにとっては、本人の内側から湧き出てくる目的意識を小学生のうちからもつことは、なかなか難しいのも現状です。

そこで、1週間に取り組むものや量を、予め決めておくことを強くおすすめします。今週は、算数パズル5枚と漢字クイズ5枚、この問題集を5ページ分などと、予め、ゴールが子どもにも大人にも分かるように設定しておきます。それを、冷蔵庫に貼ったホワイトボードに明記しておいてもいいかもしれません。




「日本に帰ったときに、困らないように。」といった目標は、「今」という瞬間を生きている子どもたちにとっては、モヤッとし過ぎています。それよりも、「今週はこれとこれを終わらせよう。」といったものの方が、ずっと具体的にとっかかりやすいものです。

その、「これをやる目標」は、初めは、大人から与えられたものかもしれません。しかし、それを少しずつ達成していくことで、子どもの心には、「僕は・私は、しっかりできる」という自信が生まれていきます。

もちろん、やることが早めに終わったら、机に向かわない日があってもいいと思います。そんな週が続いていったら、「あなたはとても良くできていて、ますます力が伸びそうだから、もう1枚だけ加えてみようか?それで、様子を見てみよう。」といった声掛けをしてみるのもいいでしょう。






3 小学生の学習習慣を身に付ける方法3: 学習した過程を褒める


どの子どもにも、素晴らしい表れは必ずあります。それを見付けて、言語化して伝えていくのが、私たち大人の役目です。

「わぁ、今日は、全部マルだったね。」という結果を褒めることをしてもいいでしょう。けれど、結果を褒めることを1回したとしたら、過程を褒めたり認めたりすることを10回はしてほしいなと思います。

「今日も机に向かえたね。」「よそ見せず、集中して文章を読めていたね。」「前、書けなかった漢字が、今日は書けていたね。」「難しい問題にも、チャレンジするようになったね。」「難しい問題があっても、怒らず、考えられるようになったね。」「4桁の足し算を正確にできるようになったね。それはきっと繰り上がりを書くようになったからだろうね。」….

今まで出会ってきたどの子にも、素晴らしい表れはありました。それは、勉強が好きか嫌いか、集中力があるかないか、世間一般で言われる「いい子」かどうか… といったことには関わらず、です。






ただ、子どもを褒めるときに注意することがあります。それは、「ありもしないことは褒めない。」「自分が思ってもいないことは口にしない。」といったことです。子どもは、とても鋭い生き物です。大人がありもしないこと、思ってもいないことを口に出したときは、すぐに見抜いてしまいます。



例えば、3歳の子が描いた、大人から見れば「くしゃくしゃ」に見える絵を、「わぁ、素敵じゃない!」と全身で褒めちぎるアメリカ人のお母さん、見たことありませんか?

おそらく、そのお母さんは、心からそう思っているので、褒められた子どもも、「なんか嬉しい。」「誇らしい。」「やった!」という気持ちになります。そして、自己肯定感がどんどん育っていくように思います。



でも、「わぁ、素晴らしいわ!」と言葉では褒めても、すぐにスマホに戻ってしまう方も、見たことありませんか?

そのときのそのお母さんにとっては、子どもの絵より別のことの方が大事だったため、そういった態度になってしまうわけです。残念ながら、子どもには、「素晴らしい」という言葉よりも、「お母さんは、私の絵よりも、スマホの方がおもしろい。」という態度の方がはっきりと伝わってしまいます。



子どもの描いた絵がどう見ても「くしゃくしゃ」にしか見えなかったときは、「絵を描いたのね!」と子どもの行動を認めたり、「あなたは絵を描くのが好きなの?」と子ども自身の気持ちを振り返る質問をしてみたりしてください。

そこで、子どもが「好き!」と答えたら、「好きなことがあるって素晴らしいね!」「絵を描くのが楽しめるって、嬉しいね!」などと、ご自身が本当に思ったことを伝えてあげてくださいね。





4 小学生の学習習慣を身に付ける方法4: 家族で学習する時間を作る



子どもは、私たち大人の言葉を聞いて育つのではありません。私たち大人の行動を見て育ちます。耳にしたことより、実際に見たことを手本として、育っていきます。

いくらおうちの方が「机に向かって勉強しなさい。」と言っても、おうちの人自身に、何かを学ぶ姿勢が見られなければ、子どもは学ぶことの意義を理解するのに苦労してしまいます。

子どもが机に向かっている間に、読書をするでも構いません。おうちの方もガッツリ机に向かって勉強するでも構いません。形はどうであれ、「お母さん・お父さんも、学んでいる」ということを、子ども自身が理解できるようにすることが大切です。




私の周りには、「英語をもっと上手くしゃべれるようになりたいから。」と、英単語の学習をするお母さんや、「子ども時代、漢字が好きだったから、もうちょっと難しい漢字を学んで、子どもと一緒に漢字検定を受けたい。」と話すお母さんがおり、子どもが机に向かっている横で、お母さんも机に向かっているというお宅が何軒かあります。

また、「意識しないと、なかなか読書の時間がもてないから、子どもが机に向かっているときに、私も隣で静かに読書をするようにした。」と言っていた方もいらっしゃいました。




もちろん、今の時代、Youtube全盛期ですから、子どものそばで動画で学ぶ姿を見せるのも、アリだと思います。ただ、子どもには、「私は、動画を見ながら学んでいるんだよ。あとで、何が分かったか、聞いてくれる?」と予め伝えておいたり、子どもの気が散らないようしたりと配慮する必要はあるかと思います。

ともあれ、「親も学んでいるよ。」「学ぶことは、至って、フツーのことなんだよ。」というメッセージが、子どもに伝われば、形はどうであれいいのではないでしょうか。




まとめ

以上、のびのび進学塾じょんじょんの考える、家庭学習を習慣にする4つの方法でした。小学生のうちは、特に、自らの内側から湧き出てくる、学習への目標がもちづらいものです。

そんなときは、家庭学習が「苦行」の時間にならないように、無理のない範囲で子どもと関わり、家庭学習を習慣付けしてあげてくださいね。

お子さんによって、ベストなタイミング、やり方、関わり方は異なります。困ったときは、ぜひご相談くださいね。一緒に考えましょう。







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