海外在住からの、公立進学校(高校)合格に向け、意識しておきたいこと3点(国語編)

こんにちは、海外在住子女専門国語塾のジョンソン綾です。

「のびのびと海外生活を楽しみながらも、帰国後の進路を見据えて、しっかり実力を身に付けていたい」そんな希望をもつ小中学生のお子さんの、すべての教科の基礎となる国語力を伸ばすべく、一緒に国語の授業をしています。

今日は、海外在住から公立進学校(高校)を目指す子たちが、国語の学習で意識しておきたいこと3点についてお伝えします。

なお、一般の公立高校入試を受検するという前提で、今日は書いております。また、子どもにより、渡米時期や本帰国のタイミングは異なるため、あくまでも一般的なこととしてお読みくださいませ。




1 各県での出題形式を知っておく


まずは、どんなテストが出るのか知っておくことは、とても大切なことです。

例えば、静岡県ですと、例年、「文学的文章」「説明的文章」「原稿の推敲」「古文」「作文」という、大きく5題に分かれた構成となっています。

文学的文章(物語文)と説明的文章(説明文)では、それぞれ、漢字の読み書きや品詞についてなど、言葉についての知識を問う問題が出て、その後、その文章から読み取れることを問う問題と続きます。

さらに、静岡県の公立高校入試では、いくつかの解答条件を設定して、本文中から適切な内容を探す問題が、よく出題されます。

昨年度は、求められている条件を正しく読み取った上で(読解力)、答えるのに必要な内容はどれか考え(論理的思考力)、指定された字数にまとめる(作文力)といったことが求められていました。




このように、高校入試の出題形式を知っていると、特に、中学校1・2年生の子たちにとって、かなり対策が立てやすくなります。

現地校に通い、現地校の授業や活動、宿題で忙しい子どもたち。1分でも多く休ませてあげたい。ここでしかできないことを楽しませてあげたい。「今」にしっかり集中させてあげたい。

そう考えると、効率的な対策を立てるために、出題形式や傾向を知ることは、とても大きな武器になります。




2 多様な経験をしたり、多様な文章を読んだりしておく

次のAとBの文だったら、中学生にとってどちらの方が情景が浮かびやすいと思いますか。

A 昨日の休み時間に、僕は、友達とバレーボールをしていた。
B 昨日の休み時間に、僕は、友達とセパタクローをしていた。

おそらく、Aですよね。




テレビをつけたら、バレーボールをやっていた。公園や体育の授業で、バレーボールをした。家族や友達が、バレーボールを習っている。… など、中学生の生活経験として、バレーボールの方がセパタクローよりもずっと多いからです。

初見の文章を読んだとき、自分が見聞きしたことのあることの方が、そうでないものよりもずっと理解をしやすいですよね。

ですから、もし、これが「アメリカンフットボール」だったら、アメリカ在住の子たちにとっては大きなアドバンテージになりますね!

というように、色々な経験をしておくことで、視野が広まり、国語でいう長文読解をするときに、その文章を理解する手助けの一つとなります。

ですから、多様な経験をしておくことが、「国語にもいい!」と私は考えています。



また、さまざまなジャンルの文章を読んでおくことも、帰国後の国語だけでなく、さまざまな教科の成績を後伸びさせるのにとても有効な手段の一つだと思います。

ここで注意したいのは、「たくさん本を読めばいい」というわけではないことです。

国立教育施策研究所の有元秀文総括研究官が、OECDのPISA調査の結果から、読解力と読書量についてについて調べたところ、日本の子どもたちは、読書時間の増加と、読解力のスコアの高さとは比例しないことが分かったそうです。

確かに、今まで関わってきた1000人以上の子どもたちを見ていると、「本が好きだからといって、国語の点数が高いわけではない」という子もたくさん見てきました。

しかしながら、さまざまな分野の本を幅広く読む子ほど、読解力が高い傾向にあるという調査結果も出たそうです。

(ベネッセ「読解力向上と読書との関係」より)https://benesse.jp/berd/berd/center/open/report/gakuryokukoujou/2006/chukan_pdf/gakukihon2006_07.pdf


こういった調査結果を見ると、改めて、大人も子どもも、幅広い知識や教養を身に付けておくことは、いろいろな場面で身を助けてくれるんだなぁと思いました。






3 読解力を高めておく

最後に、海外在住時からもしておきたいことは、読解力を伸ばし続けておくことです。

読解力とは、ただ単に、日本語で書かれた文章の字ヅラを追うことができるという力ではありません。

目の前の文章を見て、目を動かして何と書かれているか読めるだけで、あまり考えていない。あまり深く理解できていない。「こんな子が、本当にいるのか?」と驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんが、割とたくさんいます。




私自身がそうでした。国語のテストで答えを考えるときは、テスト用紙を見てそれらしい答えを探す、それだけでした。

もちろん、日本で生まれ育っていたにも関わらず、国語は苦手でした。また、初見の文章がテストに出てくるときは、その内容によって、100点満点中35点くらいのときもあれば、90点取れるといったときもありました。今思うと、「フィーリング」で問題を解いていました。

だから、再現性がなかったし、「国語が得意だ」と思えることもありませんでした。





ここで、私のいう「読解力」とは、そういった、日本語の文章を読めるだけといった力のことではありません。

私のいう「読解力」とは、筆者の書いた内容の意味や意図を理解し、自分で考えながら読み深めることのできる力のことです。

例えば、「主人公は、このとき、なぜ○○をしたのでしょうか。」という設問があったとします。読解の苦手な子は、なんとなくそれっぽい答えを文章中から探すか、文章の記述を離れて、自らの経験から勝手に類推するかでしょう。

けれど、読解力の高い子は、前後の文脈を読み取り、きちんと根拠をもって答えることができます。

しかし… 読解力は、一朝一夕に身に付く力ではありません。だから、海外在住時から、少しずつすこしずつ身に付けておく必要がある力だと言えます。




まとめ

今日は、海外在住から公立進学校(高校)を目指す子たちが、国語の学習で意識しておきたいこと3点についてお伝えしました。

① 各県の出題形式や傾向を知っておく。
② 多様な経験をしたり、さまざまな文章を読んだりする。
③ 読解力を身に付けておく。

の3点でした。のびのび進学塾じょんじょんでは、海外での生活をのびのび楽しみながらも、しっかり実力を身に付けることができるよう、海外在住児向けの特別なカリキュラムを組んでいます。

また、家庭教師コースでは、その子の個性や目標、帰国までの時間、周囲の環境等に合ったカリキュラムを作っております。



せっかくの海外生活。今、しっかり楽しんでおきたい。けれど、未来の自分のために、しっかり実力は伸ばしておきたい。そんな希望をもつ、中学生の皆さんや保護者の皆さまとの出会いを楽しみにしております。



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