帰国子女が日本の学校になじむ方法3選

本帰国が小学校低学年のうちだと割とスムーズに入っていけますが、小学校高学年以降だと、「ちょっと苦労したよ」というお話もちらほら聞きます。

高学年以降は、どの子も思春期に入っており、ただでさえ「周りの人の目が気になる」「自分がどんな人間かよく分からない」時期でもあります。

帰国子女である本人だけでなく、周りの子たちも、大きく揺れ動いている時期です。

ですから、そこでちょっとした摩擦があるのは、致し方ないことです。とは言え、かわいい我が子が日本の集団生活にスムーズに入っていってほしいと願うのは、どの親も同じです。

そこで今日は、海外育ちの子が、日本での学校生活をよりスムーズにスタートするために、私たち親が心に留めておきたいことを3つご紹介します。



1 その学年で流行っているものを知っておく

子どもが今いる場所に居場所を感じられるのは、勉強が分かるからというより、友達と他愛もない話をして笑い合えるからということが圧倒的に多いです。

そのため、休み時間に話題になるような人気のアニメやゲーム、キャラクターなどについて知っておくことは、話の輪に入るのにはとても有効な手段の一つです。

けれども、無理に好きになる必要はありません。また、話せるようにとガッツリ見る必要もありません。

こういった話題は単なるとっかかりであり、本質ではありません。





ただ、ちょっとでも知っていると互いに親近感が湧くことは間違いありません。

ある日、8歳の長女が、学校にセーラームーンのTシャツを着て行きました。それを見た図書館司書の先生が、今まで全く話したことがなかったのに、話し掛けてくれたそうです。

「私も、子どもの頃、よく見ていたの。あなたは、誰が好き?」といった具合に。それ以来、娘の名前を呼んで、ちょくちょく話をしてくれるようになったそうです。

セーラームーンは、ただのきっかけだったわけですが、そこから、関係が出来上がっていったのを見ると、少しでも知っておくことは大切だなと思いました。

(これです。ちょっと見づらいですが、ターゲットで$9くらいでした。)





2 「なじまなくてもいい」「なじんだら万々歳」くらいの気持ちでいる

元も子もないような言い方ですが、日本で生まれ育っている子でも、その集団の雰囲気には合わないと感じているお子さんもいます。

無理に集団に合わせようと自分を変えるよりも、今の自分を肯定して、そのままの自分でいることを選択した方が、子どもの心の成長にはよっぽどいいです。

昭和・平成初期生まれの私たちは「友達とは仲良くせねば」「皆と同じことをせねば」という価値観で育てられてきましたが、今は令和の世。そういう価値観からは、そろそろ卒業してもいい頃合いじゃないかなと思います。

もちろん、自分と異なる人に歩み寄る努力は人を成長させてくれますが、自分自身を殺してまでする必要は全くありません。




だから、「私は私」でいいのだと思います。

大丈夫。「私は私」でいたら、きっと、その子に合う子が現れます。

ただ、それが、そのときのその子にとって苦しい場合は、環境を変えるといった選択肢を考えるのもありかもしれません。それはまた後日に。






3 どうしても気になるなら、見た目からなじんでみる。

そうは言っても、やっぱり親としては気になりますよね。

そうしたら、日本のお店で売っている服を買ってきてあげて、そっとクローゼットに置いておいてあげるのもいいと思います。

人は、80%以上の情報を視覚から得ていると言われます。そのため、「見た目から入る」のは、とても有効な手段の一つです。





「帰国子女」というラベルは、それだけでさえもちょっと目立ちます。

それはきっと、私たち日本人は、「外国(海の外)に住む」ということにちょっとした憧れを抱く人が多いからだと思います。

アメリカの方に「外国に住んでいたの。」と言っても、きっと「ふーん。家族が軍に勤めていたの?」くらいの反応しか返ってきません。

けれど、日本の方に「アメリカに住んでいるの。」と言うと、「わぁ、素敵!」といった反応が返ってくることが多くあります。

特に、私の住んでいた静岡県の片田舎では、「帰国子女」はとても珍しかったため、「アメリカ帰りの子が転入してくる」というニュースはすぐさま学校中を駆け巡りました。

その子が来るまでにアメリカの国歌を練習して、”Oh, say can you see~~~♪”と皆で合唱して、彼女を歓迎したのを、いまだによく覚えています。






少し横道に逸れましたが、「帰国子女」というラベルは、初めのうち、「なんだか僕たち・私たちとは違いそうだ。」と子供が構えてしまうには十分なラベルです。

人は、誰かと友達になるときに、相手との相違点があっても、自分との共通点が見付かると、そこから親近感を抱いていきます。

もちろん、互いの内面を知っていくうちに、「帰国子女」なんてラベルを越えて仲良くなっていくのでしょうが、内面を知る前のうちは、見た目から入るのも有効な手段の一つです。

「同じマインクラフトのTシャツだ〜!これ、ユニクロで買ったよね?!」

「その服、かわいいね!どこで買ったの?」「しまむらだよ〜!」「うちもよく行く!」

そんな小さなところからも、少しずつ少しずつ子ども同士の心の距離が縮まっていきます。

(「日本っぽい」服。里帰りで購入してきました。)





まとめ

以上、海外育ちの子が、日本の集団生活にスムーズに入っていくために、私たち親が心に留めておきたいこと3つをご紹介しました。

どの子も、置かれた場所で、その子らしくのびのびと成長していきますように( ´ ▽ ` )

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