本帰国後、国語の読解力をぐんぐん伸ばすために今からできる2つのこと

「日本の公立小学校や塾で、ここをもっと鍛えていけば、子どもたちの読解力がもっともっと上がるのになぁ」と、私が思うことがあります。

それは…
① 論理的思考力を鍛えること
② 親や友達との会話で使わない語彙を増やすこと

の2点です。

この2点は日本の小中学校ではあまりふれられていないところなので、逆に言うと、海外在住の子たちでも、ここを鍛えておけば、帰国後の授業でかなり大きなアドバンテージとなることと思います。



1 論理的思考力を鍛えること



日本の学校の国語の授業では、一つの文章を何時間もかけて読み込むことはしますが、今後の文章読解や自分自身の文章に応用するために、そこで使われている文章表現の技法や型について教えてくれることはありません。

だから、その単元のテストでは答えが書けても、学力調査など初見の文章を読んでの読解は苦手とする子が多いのだと思います。





また、補習校では、1週間分の授業を1日にギュッとまとめることが多く、その文章の内容をなぞっただけで終わってしまう授業が散見されます。

(ただ、これらは仕方のないことだと思います。先生方は、プロとしての訓練を受けていない方ばかりです。けれど、どの方も、子どもが好きで、子どもの教育に情熱をもって取り組んでくださる素敵な方ばかりだと、補習校に勤めていて思います。)

さらに、補習校では、クラス内で日本語運用能力の個人差が大きく、深い長文読解を行なったり、そこで使われている文章表現についてガッツリ突っ込んだりするのがとても難しいという現状もあります。





国語でいう論理的思考力とは、それぞれの文の関係を整理する力だと私はとらえています。

特に説明文で顕著ですが、それぞれの文は、互いが言い換えられていたり、互いを比べ合ったり、Aという原因とBという結果をつなげていたりします。

この3つを的確にとらえることができると、論理的思考力が高いといえます。順を追って説明しますね。





① 言い換える



「A。つまり、B。」「B。例えば、A。」構文で言うと、こんな感じです。

具体的には、「トマト、きゅうり、なす。つまり、夏野菜。」「果物。例えば、りんご、みかん、すいか。」といった感じです。

これが文章になると… 「朝起きたときには、少し頭が痛かった。2時間目が終わったときには、熱っぽい感じがした。給食を食べ終わった後、気持ちが悪くなり、嘔吐してしまった。要するに、だんだんと体調が悪くなり、散々な1日だったわけだ。」となります。

初めに出てきた、具体的な「頭が痛い」「熱っぽい」「気持ちが悪い」という症状を、最後にまとめて「体調が悪い」と言い換えています。

「A。つまり、B。」の構文ですね。





このように、AをBで言い換えたり、BをAで言い換えたりすることが自由にできると、初見の文章も、スラスラと理解できるようになります。




② 比べる

「Aは⚪︎だけど、Bは△だ。」といったように、AとBとの関係を比べることができるのも、とても大切な力です。

例えば、「夏は、暑い。一方、冬は、寒い。」「8月の日本は暑い。しかし、8月のオーストラリアはちょっと寒い。」といった感じです。

ただ、これも、「夏は、暑い。一方、冬は、みかんがおいしい。」といったように、対比する観点が一致していないと、ちょっと「?」な文ですよね。

こういったことに気付くことのできる力も、論理的思考力に入ります。






③ 原因と結果をつなげる

簡単に言うと、「A。だから、B。」です。

具体的には、「今日は雨予報だった。だから、傘を持っていった。」というように、原因と結果をつなげる文です。

ただ、次の文はどうでしょうか。「今日は晴れ予報だった。だから、傘を持っていった。」

これは、おそらく8割以上の方にとっては、「え?!意味分からんじゃん。」だと思います。

そういった感覚をもてたり、「『だから』を『けれど』に変えてその理由を説明すればいいじゃん!」といった解決方法を考えられたりしたら、論理的思考力が少しずつ育っている証拠です。






2 親や友達との日常会話では使わない語彙を増やすこと



日本語の通じない海外で暮らしていると、語彙力の大切さを痛感します。

例えば、「調和」という言葉の意味や概念は理解していても、”harmony”という言葉を知らないとうまく表現できず伝わりません。

日本語で、さまざまな文章を読むときも同じことが起こります。





「調和」「留意」「明瞭」など、日常会話ではなかなか出てこないけれど、物語文や説明文に出てくる語彙が、頭の中にあるかないかでその文章への理解度は大きく変わります。

そういった語彙を増やすことは、日本の学校でも補習校でも、授業の中では行われることは滅多にありません。

そのため、こうした語彙があることは、帰国後のその子にとって大きな武器になります。





Amazonさんで、「語彙力」「小学生」と打つと、たくさんの問題集が出てきます。

のびのび進学塾じょんじょんでは、辞書引き学習法を開発された深谷圭助先生の「小学校6年生までに必要な語彙が1冊でしっかり身につく本」というドリルを、語彙力を上げるために参考にすることが数多くあります。






まとめ

以上、本帰国後に読解力をぐんぐん伸ばすために、今からできる2つのことでした。

「論理的思考力を伸ばす」「語彙力を付ける」この二つが、読解力を支える大きな大きな下地となります。

のびのび進学塾じょんじょんでは、こういったことをおさえて授業をしているため、「のびのび」しながらもしっかり実力をつけることができています。

帰国後に、「爆伸び」するお子さんが多いのも、そのためです。

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