駐在員家庭の、日本語と英語の両立に悩んだときに、大事にしたいこと2つ

「英語を身に付けさせたい。けれど、いずれは日本に帰るので、母国語で授業内容をしっかり理解できて、実力も伸ばせるようにしたい。悩みます…。」というお声は、本当によく伺います。
そして、同じ母親として、そのお気持ち、とてもとてもよく分かります。
私自身は、正直なところ、「どこに住むにしても、子どもたちには、学ぶことを楽しんでほしい。」「言語をバリアにせず、のびのびかつどんどん、本人の興味・関心のあることを学んでいってほしい。」と願っています。
そのため、「本帰国したときには、日本でも、授業が楽しめて活躍できるくらいの語彙力・読解力・発信力(作文力)をアメリカにいるときから身に付けさせてあげられたら。」と考えています。
(我が家は、永住予定はありません。けれど、帰国予定もないんです😅。じょんじょんの生徒の皆さま、ご安心ください。)




インターネット上には、驚くくらい多くの「完璧なバイリンガルは簡単なことではない。」「親子ともに、相当な努力が必要だ。」「勉強漬けや親子ゲンカになってしまう。」といった記事を見ます。
確かに、空気を吸うくらいに簡単なことではないし、何でも言えることですが、何かスキルを身に付けるためには努力をすることも必要です。
けれど、同じ努力をするなら、苦行としてではなく、新しいことを学ぶ喜びとして、子どもたちに経験させてあげたいと、じょんじょんは願っています。
そのため、のびのび進学塾じょんじょんでは、一人のカリスマ講師がしゃべり続ける授業はしません。教えるべきところはしっかり教えた上で、子どもたち自身が自分の考えを巡らすことができるよう、学ぶことそのものを楽しめるよう、授業や宿題の中でさまざまな仕掛けをしています。
ただ、今日は、じょんじょんは関係なく、いずれ帰国する子たちが、日本語と英語の両立に悩んだときに、私たち大人がもっていたい視点について二つお話ししたいと思います。





1 今やっていることは、その子のペースに合っているか




私たち大人は、さまざまな知識を身に付け、さまざまな経験をしてきているので、将来を見越して判断する力があります。
一方の子どもは、今はまだ、知識や経験を積み始めた段階にいます。
そのため、「⚪︎年後に本帰国したときに役立つから、今、がんばれ。」というこちらの励ましは、ある程度経験を重ねた中学生や高校生の子になら響くかもしれませんが、小学生の子には理解するのが難しいことかと思います。
年齢が小さくなればなるほど、子どもは、「今」を生きています。
さんざんこちらが叱った後に、子どもが、すぐに「お母さ〜ん♪」とやって来たり、ケロリとゲームをしていたりするのはそのためです。
だから、余計に、「まだ見えぬ未来のために、今、苦しいことをやれ」というアドバイスは、彼らが受け入れるのは非常に困難なことです。




だからこそ、今やっていることが、その子にとって楽しくやれているか、その子のペースに合っているかを考えることがとても大切です。
例えば、同じ「補習校に通う」「宿題をどっさりやる」にしても、お子さんによってとらえ方が全く異なります。
Aさんにとっては、補習校に通うことで、日本人の友達と日本語で自由にコミュニケーションが取れるから、心の居場所となっているかもしれません。
Bさんにとっては、補習校に通うことで、「月曜から土曜まで週6日間、フルで頑張らなきゃいけない。」と、心の負担になっているかもしれません。
Cさんにとっては、補習校に通うことで、「もっと日本の学校のレベルに近いこと、もしくはそれ以上のことをしたい。」と、物足りなく感じているかもしれません。
同じ「補習校に通う」でも、子どもによって感じ方や考え方は、千差万別です。




私たちが子どもにアドバイスするのは簡単です。
けれど、まずは、親としての思いや希望は置いておいて、今のその子自身の実情と冷静に向き合うことで、見えてくるものがあります。
そういったことが、何かを無理強いしたり、何かをすぐ諦めたりするより、ずっと、その子にとっての幸せへの近道になるのではないかと、私は考えています。



2 その子自身や親自身の願いは何か



子育てにおいて、結局、1番大事なのは、「その子自身がどうしたいか」「親自身はどう育ってほしいか」という視点であると、私は思っています。
例えば、「子ども4人全員が、東京大学の理科3類に合格しました!」という方がいらっしゃいます。
それは、とても素晴らしいことだと思うし、お子さんもたくさん努力をして、おうちの方もいろいろなところで気を配ってきたのだろうなと想像されます。
その方を批判する気はさらさらありません。
実際、私も、「なるほど、こういう声掛けの仕方もあるのか!」とたくさん学ばせていただいております。




けれど、もし、万が一、どの子か一人でも、お子さんの興味・関心が、生物学や化学、物理学といったところでなく、教育や心理学、芸術といった違うところにあったとしたら… と考えると、その子の情熱の赴く方向で学ぶ機会があった方が、よりその子らしく幸せに生きていけるのではないかと、私は考えています。
もちろん、人それぞれ、いろいろな考え方があり、「東大理3卒業」という学歴により、その子自身が受ける恩恵がたくさんことも承知しています。
4人のお子さん全員が、ご自分の興味・関心に沿って選んだ進路がたまたまそこだったのかもしれません。
私自身は、「外野」としてただ見ているだけですから、彼女の考え方を否定する気はさらさらありません。




とどのつまり、その子が幸せなら、私たち親も幸せです。
その子自身の人生は、その子にしか生きることはできません。
お母さん自身の人生も、そのお母さん自身にしか生きることはできません。
当事者以外の人間がどう思うかなんて、かなりどうでもいいことなんです。




だからこそ、この情報過多の時代では、「その子自身がどうしたいか」「親自身はどう育ってほしいか」といった視点が大切だと、切に思います。
いろいろな専門家の方がいらして、さまざまな情報を発信されています。
読めば読むほど迷うことも出てくるでしょう。
じょんじょんのお母さん・お父さんたちにも言っていますが、私を信頼してくださることはとても有り難いことです。
けれど、私や専門家の方たちの言うことを鵜呑みにせず、お子さんやおうちの人の希望を1番に考えることが、お子さんの人生をより明るい方へ導いたり、お母さん・お父さんの子育てをより自分たちらしい幸せなものにしたりします。
迷ったときは、「この子はどうしたいのだろう」「私はどうしたいのだろう」という視点を大事にしてくださいね。
それが、きっと、その子やそのご家族にとっての1番の正解です。




まとめ

以上、駐在員家庭のお子さんが日本語と英語との両立に悩んだときに、私たち親がもっていたい二つの視点についてお話ししました。
「行き詰まってしまった」と思うときでも、まずは、お子さんの現状を見つめた上で、お子さんやお母さん・お父さん自身の希望を振り返ってみてくださいね。
これだけ選択肢のある世の中ですから、きっと、その子にとってよき落とし所は存在します。
私たち親が、ドーンと構えていきましょう!!

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