帰国してから困ったことと事前にできるその対策(学力編)

(今夏、日本で体験入学をしてきたお子さんのテストです。
 「思考・判断・表現」に高得点が付くお子さんが多いのも、
 じょんじょんに通うお子さんの特徴の一つです。)




インターネットで「帰国後 困りごと 子ども」と打つと、子どもたちがさまざまなことに困りごとを感じ、それを乗り越えようと頑張っている姿が見えてきます。
ただ、幸いなことに、海外在住時に、のびのび進学塾じょんじょんに通ってくださっていたお子さんや保護者の皆さまからは、「帰国後の担任の先生に『作文が上手だね。』と褒められて、嬉しい!」「じょんじょんで、読解の型を意識していたから、日本での国語も楽しくやれているようだ。」といったお声をいただいております。
けれど、じょんじょん以外の周りを見渡せば、困っているお子さんや保護者の方の声が聞こえてきたため、今日は、帰国してからの学習面での困りごとで1番時間の掛かるもの対して、海外在住時からできる対策を皆さんとシェアしたいと思います。



よく聞く困りごと「読解力が身に付いていなかった」

「補習校に通っていて、宿題をやっているから大丈夫。」と思っていたけれど、いざ帰国してみると、思った以上に、読解力が身に付いておらず、特に、初見の文章が出てくる県下統一テスト(全学年年に1回あります)などは、全く太刀打ちができなかった。
算数も、図形の問題は得意だったけれど、問題の意味や意図が分からず、結局解けなかった…。
そんなお話を、補習校に通っていて帰国されたお子さんのお母さまから聞いたことがあります。




一般的に、補習校での授業は、「導入」を目的としていますが、「定着」は「おうちでしてくださいね」というスタンスであると言われています。
そこが、日本の公立小中学校とは大きく異なるところです。
私自身、以前、小学校に勤めていたときは、「授業内で子どもの力を付けさせる!」と燃えており、さまざまな学力のお子さんのいる公立小学校にて、テストの平均点が90〜97点ということがフツーにありました。
私以外にも、「授業で勝負をする!」と意気込んでいた同僚は周りにたくさんおり、周りの教員や子どもたちの間には、とてもいい雰囲気が流れていたのをよく覚えています。
一緒にいて、とても心地の良い感覚でした。
さて、横道に外れてしまいましたが、日本語砂漠の海外にて、自宅で読解力を伸ばすのに、おすすめしているのが、読書と新聞です。




① 読解力向上には、さまざまなジャンルのものを読むといい


「読解力を伸ばすには、たくさん読書をすればいい。」
残念ながら、これは、私にとっては真実ではありません。
今まで、読書好きで、たくさん本を読んでいたけれど、国語は苦手だというお子さんに、日本の小中学校ではたくさん出会ってきました。
逆に、読書はあまり好きではないし、休みには外でたくさん遊びたいけれど、長文読解はとてもよくできるというお子さんにも出会ってきました。
そういった色々なお子さんたちと出会ってきて思ったことが、「読書を通して読解力を伸ばしたいならば、色々なジャンルのものを読むといい」ということでした。




絵本、小説、エッセイに始まり、ノンフィクション、漫画、歴史、科学、音楽、社会、思想…. さまざまなジャンルの子どもの本が出版されています。
小説が好きで、小説しか読まないというお子さんもいることでしょう。
もちろん、それは素晴らしいことで、「いいねいいね!これからもたくさん読んで、たくさん楽しんでね!」と両手を振って応援したい気持ちです。
ただ、そこに「読解力を伸ばしたい」という気持ちがあるならば、小説に限らず、たくさんのジャンルの本を読むことをおすすめしています。




というのも、それぞれの分野において、たくさん出てくる言葉とそうでない言葉があるからです。
例えば、歴史の本には、「時代」「貴族」「幕府」などといった言葉がたくさん出てきます。
科学の本には、「空気」「ピストン」「圧縮」などといった言葉がたくさん出てきます。
どのジャンルにも、そこで多く使われる語彙があり、そういった語彙に日常的にふれていたり、何回か事前に見たことがあったりすると、子どもたちの読解への心理的ハードルはググッと下がります。
また、同じ「夕焼けがきれいだ」という事象でも、小説と科学の本とでは、言い回しは全く異なります。
小説では、「燃えるように美しい夕焼け」と詩的に表現され、科学の本では、「赤い夕焼け」と客観的事実をもとにして表現されることでしょう。
けれど、同じ「夕焼けがきれいだ」といった事象を示していますよね。
こういったことに自然と気付くことができるようになるためには、おうちでは、さまざまなジャンルの本を読むことをおすすめしています。





② 読解力向上には、新聞を読むのもいい




我が家も新聞を取ってはいませんが、「NIE, Newspaper In Education, 教育に新聞を」という考え方は採用しております。
NIEは、新聞を子どもの教材として活用し、子どもたちの情報活用力を伸ばそうという目的で、近年、日本の小中学校でも広く取り入れられています。
ただ、私は、子どもたちの情報活用力だけでなく、読解力や学ぶ意欲を伸ばすためにも、新聞の活用は有効であると考えています。



以下のサイトからは、日本全国さまざまな新聞社さんが出しているワークシートを無料でダウンロードすることができます。
https://nie.jp/worksheet/
低学年の子たちには、お子さんが住んだことのある、もしくは、お父さんやお母さんの出身県の新聞社さんのワークシートをおすすめします。
小さい子たちにとっては、全く知らない土地のニュースよりも、馴染みのある土地のニュースの方がずっと興味をもって読みやすいからです。
もちろん、おうちの方が、音読してあげた後、お子さんがワークシートの問題を一緒に解くという形でも構いません。
書き出さなくても、考えた答えを言うだけでも構いません。
また、高学年の子たちには、あえて、さまざまな都道府県のワークシートに取り組ませるのも楽しいかと思います。
というのも、特に、5年生以上の子にとっては、よく知らなくても、名前だけはうっすら聞いたことのある都道府県がたくさんあるからです。
今まで何の興味ももっていない、名前しか知らなかった都道府県について、少し知識が増えることは、大きな子たちにとってはとても嬉しいものです。




まとめ

帰国後の困りごととして、「読解力が思ったより身に付いていなかった」というものが上がっていましたが、そこに対しては、今からおうちでできることがあります。
それは、色々なジャンルの本を読むこと、そして新聞を活用することでした。
のびのび進学塾じょんじょんでは、海外でのびのび楽しく生活しながらも、帰国後の進路に備えて、語彙力・読解力・発信力(作文力)・論理的思考力をしっかり伸ばしたいお子さんたちと共に、国語の授業を行なっております。
子どもの発達段階と「海外在住である」という条件を加味して作られた独自のカリキュラムと、一人ひとりのお子さんの特性や興味・関心、目標に合わせた宿題とを組み合わせることで、さまざまな学習の土台となる国語力を身に付けることのできるよう支援をしています。
ご縁のあるお子さん、保護者の皆さまとの出会いを楽しみにしています。

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