駐在中に、子どもの教育に不安を感じたときに考えたいこと2つ

(ツユクサで色水を作っています。束の間の日本。たくさん楽しめました。)



海外生活。お父さんにとっても、お母さんにとっても、子どもたちにとっても慣れない経験の連続ですよね。
駐在員として働いているお父さん・お母さんにとっても、主に主夫・主婦として家族を支えているお父さん・お母さんにとっても、使い慣れない英語を使って現地校やインターナショナルスクールに行っている子どもたちにとっても、家族の誰にとっても、海外生活はもうすでに「頑張っている」ものです。
今日は、海外在住時に、子どもの教育、特に学習面について不安を感じたときに、私たち大人がもちたい視点二つについてお話ししたいと思います。
公立小中学校で中核教員として「先生の先生」をした後、日本語補習校で校長としても勤務し、お母さんたちがより自分らしく幸せに生きるのを支援する「ライフコーチ」としても活動した経験から、今日はお話ししますね。




1 「具体的な不安は何か」を明確にする

私自身も、海外で2児を育てつつ、彼女たちが幸せに生きていってほしいと願う母親として、時に不安を感じることもあります。
「ちょっと出遅れている感じがして、なんか不安。」
「日本に帰国したときに、本人の納得いく進路を辿れるだろうか。なんか不安。」
といった、漠然とした、まだまだ見えないこれからのことについて思いを馳せているとき、私自身は不安になりやすいです。





そういった不安を感じたとき、私は1枚の紙を4つに区切り、4つのことを書いています。
佐野直樹さんという方の「インド式『グルノート』の秘密」という本を読み、それを参考にしながら1回5分ほど書くことを続けています。
佐野さんの著書はこちらから ↓
https://www.sunmark.co.jp/detail.php?csid=4011-1







まず、不安に感じていることやその気持ちを書きます。
次に、どうなったら幸せか理想の状態を書きます。
3番目に、そうなったときの気持ちを書きます。
最後に、私自身の気付きや今後とれる行動について書きます。
かな〜〜り恥ずかしいですが… 以前書いたことを例として公開したいと思います。





大人は不安に思っていても、子どもは思っていないことなんてよくありますよね。
それは、私たちは、子ども時代は一通り終わって、大人として、自分の子ども時代を振り返ったり、社会全体を見渡したりすることができるからです。
けれど、子どもにとっては、今がまさに、その子ども時代です。
子どもにとっては、明日のことは見通しをつけることができても、1年後や帰国後のことは見通しが立ちづらいものです。
私たちの不安を、そのまま子どもにぶつけたところで、幸せになれる人は一人もいません。
また、子どもの感じ方や考え方、振る舞い方は、私たち大人にはコントロールすることはできません。
しつけを行ったり、機会を提供したり、サポートしたりすることはできても、結局、最後にその子の人生への選択権は、その子自身にしかありません。





私たち大人が、コントロールできるのは、私たち自身の感情と行動だけです。
漠然とした不安を書き出して、それを具体的に見える化するだけで気持ちは少し楽になりますが、具体的に何をすればいいか自身の今後の行動に見通しがつくことで、よりポジティブな気持ちになれます。
私たち大人が主体的に、自身の感情と向き合い、行動を決め、幸せな気持ちでいられたら、子どもは私たち親の鏡ですから、子どもの表れは確実に変わってくるでしょう。






2 「自分(たち)はどうしたいのか」を明確にする



「補習校か、塾か、家庭教師か、通信教育か、はたまたどれを組み合わせるか。」
「中学受験はするのか?するなら一般枠か帰国子女枠か。どうやって準備するのがいいのか。」…
私たちの目の前には無数の道があり、無数の選択肢があります。
その中で、Aさんにとってはとてもうまくいったことが、Bさんにとっても同じようにうまく行くとは限りません。
私たちは、皆、それぞれに、生まれ持った得意・不得意に加え、生まれ育った環境、今いる環境、モノの感じ方・考え方、時代背景などすべてが異なるからです。





もちろん、他者の言うことから学び、参考にすることは素晴らしいことです。
けれど、「誰々さんが言うから」とそれをそのまま鵜呑みにしてしまうことは、自分の人生の選択を他人に委ねてしまっていることになります。
だから、私自身もご相談を頂いたときには、まずお母さんやお子さんのお話をじっくり聴いて、その後で私の考えを短くお話していますが、「あくまでも、これは第3者の意見であって、1番大切なのは、お母さんやお子さんがどうしたいかです。」とお伝えしています。





我が家は、長女が年長の頃に渡米しましたが、近所の補習校には通わせませんでした。
というのも、当時、私たちが大切にしたかったことと、土曜日に補習校に行くということは、相反していたからです。
結果的には、これは、我が家にとっては大正解でした。
詳しくは、こちら↓につづっています。
https://nobinobijonjon.com/learning/321/
ただ、同じような選択をして、誰もが「心の安定が図れた」「けれど、日本語の読解力や語彙力もしっかり伸びていた」という結果を手にするわけではありません。
あくまで、これは、ある一人の子の場合、です。
長女も私も、旦那さんも、自分たちにとっての優先順位を明確にして、それを大事にした結果がこうだったというだけです。





自分の人生に責任をもって幸せにできる人は、自分しかいません。
その中で迷うことはたくさんあるにしても、それぞれの選択肢がベストとは言えなくても、その時々に、自分たちが納得できるものを選び取っていったら、振り返ったときにきっと自分たちが納得できて楽しめる道ができていることでしょう。
それが、自分たちにとって1番良き道で、正解の道だったのではないでしょうか。

まとめ



住み慣れた日本を離れ、周りは外国語という環境の中で、私たちはすでにもう「頑張って」います。
頑張っていて、子どもにはより幸せに生きてもらいたくて、けれど先のことは分からなくて、という中では、不安になるのは当たり前です。
教育畑で生きてきて、人のお子さんに対しては広い視点で冷静に見て、解決策を考え、実行できる私も、「自分の子ども」となると、「あぁ、どうしよう」とオロオロする瞬間もたくさんあります。
それも含めて子育てであり、自分のより成長するための通過地点なのかなととらえております。
不安になったときは、「具体的に何が不安なのか」「自分はどうしたいのか」を、ぜひ考えてみてくださいね。
そういった小さなことの積み重ねが、きっと大きな気付きや大きな成長につながってくると思います。





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