海外での国語教育【補習校か塾か】

日本語補習校には、さまざまなニーズのお子さんが来ます。



日本に帰国後も、しっかり授業に
ついていける力を身に付けたいお子さん。
日本人の友達と一緒に遊んだり話したりして、
補習校が心の居場所となっているお子さん。
日本語会話力の向上を目指すお子さん…。




もともと、日本語補習校は、日本に帰国することが前提の子たちを対象に、その子たちの日本語力の向上や帰任後の進学などを考慮して設立されたものが多いそうです。
しかし、近年では、国際結婚家庭や日本人永住家庭のお子さんたちの入学がとても増えています。
さらに、2023年の「在外教育施設振興法」の改正では、在留邦人の子でなくとも、補習校に興味のある子を積極的に受け入れることなどが盛り込まれました。




一方の塾は、「継承語教室」「進学塾」など、子どもたちのニーズに合わせて開講しているところが多いです。
「読み書きはいいから、日本のおじいちゃん・おばあちゃんと楽しく話せる会話力を身に付けたい」と、継承語教室に通うお子さんがいるでしょう。
「中学受験に興味がある」「中学受験はせずとも、高校では進学校に入りたい」といった目的があれば、進学塾に通うお子さんがいらっしゃるのではないでしょうか。




今日は、私の視点から、補習校と塾とで迷ったときに、大切にしたい視点をお伝えしたいと思います。

補習校と塾の違い:

「どんなことを狙うのか」


「日本人の友達と話す場所がほしい」
「日本の学校行事を体験したい」
「日本語で国語や算数を学びたい」
こういったニーズを満たすのは、日本語補習校の得意としているところでしょう。




「自分の求めるレベルに合った学習をしたい」
「土日は現地でしかできないことを体験したい」
こういったニーズを満たすのは、塾の方が得意かと思います。





もともと、補習校は「日本語で日本国内の学校に準じた教育を行い、子どもたちが帰国後にスムーズに日本社会や学校に適応できるように」という目的をもって設立されました。
しかし、実際には、補習校には、さまざまなニーズや言語環境をもっている子たちが集まってきます。
また、2023年の在外教育施設振興法の改正により、外国籍・国際結婚家庭など、日本語指導が必要な子への支援の充実も規定されました。




補習校では、保護者の方から授業料を頂きつつも、日本の国の補助金を得て運営されているため、日本の教科書を使って授業を行い、「どの子にも日本語で学ぶことを楽しんでほしい」という願いをもって授業をします。
そのため、日本語が堪能な子にとっては簡単すぎてしまったり、日本語が得意でない子にとっては難しすぎてしまったりといったことが起きます。




例えば、「やかん」「浮き輪」といった生活で使う言葉を、”kettle” “float”といった言葉を足せば認識できるお子さんと、「やかん」「浮き輪」だけで認識するお子さんとが一緒に学び、さらに「英語を使ってはいけない」という学校の決まりがあるのとで、説明に余分な時間が掛かってしまうことがあります。
もちろん、教師が絵を描いたり、そっと「kettleだよ」と耳打ちしたり、子ども同士で説明し合ったりするなどして工夫は重ねていますが、なかなか難しいところではあります。




けれど、子どもは子ども。どの子も、私たち教師にとっては、大切でかわいい子たちです。
目の前の子たちが、「どの子も学びを楽しめるように」「どの子も日本語が好きであるように」「どの子も幸せであるように」と願いつつ授業をするため、こういったことは補習校での永遠のテーマになりそうです。




一方の塾は、そこに通う子たちの目的や言語環境がある程度似通っているため、その子たちが目指すレベルで授業を進めることができます。
小学校卒業までに身に付けさせたい「誤解」「健全」「要約」といった語彙を使って、読解をしたり作文を書いたりといったことは、進学塾が得意とするところだと思います。




じょんじょんでは、そういった語彙やその学年での学習漢字を、塾生の子たちが楽しみながらしっかり身に付けることができるよう、宿題の出し方や授業の仕方を工夫しています。
皆さんからは、「じょんじょんの宿題は宿題っぽくなくない!」「親子の遊びの中で、確実に身に付いている実感がある。」とのお声を聞いています。




また、授業では、教育のプロである塾長自らが教鞭をとり、その時々の授業で子どもに付けさせたい力を明確にし、目の前の子たちの興味関心や特性を考慮しながら授業を組み立てています。
そして、子どもたちが日本に帰ってからも、学校での学びを楽しみ、さまざまな選択肢の中からその子らしい選択肢を選ぶことのできる下地を、じょんじょんで身に付けて帰国してほしいと願っています。



まとめ


補習校と塾。
それぞれの親子が大切にしたいことに合っていたら、どちらも素敵な選択肢だと思います。
1番大切なのは、人がどうこうではなく、お子さんの気持ちやおうちの方の願いを優先させて、そのご家庭に合ったものを選ぶことです。



日本語を学ぶこと、日本語で学ぶこと、日本語で受験すること…
その子によってニーズは異なりますが、どの子も自分らしい選択をして、幸せに生きていきますように。
それが、ジョンソン綾の願いです。

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