海外在住でも、国語力を伸ばすために1番大切な力

海外の現地校に通い、かつ、家庭内の共通語が日本語であることにより、子どもたちは、日本語と現地語での会話については無理なく伸びてきているご家庭が多いことと思います。
二つの言語で会話ができることは、自分とバックグラウンドの違う人と友達になれたり、一緒に仕事ができたり、いろいろな場所に抵抗なく訪れることができたりと、これからの人生において、たくさんのメリットを子どもたちに提供してくれるでしょう。
我が家も、日本で生まれ育った子たちを連れてアメリカ移住したことにより、彼女たちの英語力が大きく上がってきていることにとても感謝しています。





しかし、「話す・聞く」という日本語運用能力と、それに「読む・書く」を加えた総合的な国語力とでは、やはりだいぶ勝手が異なります。
何もしないでいても、日本語の読み書きが得意になるということでもありません。
日本人の両親のもとに生まれ、日本で育ったお子さんでも、国語の苦手な子がいるのは、こういった理由によります。
そこで、今日は、日本語砂漠(!?)に生きる海外在住の子どもたちが国語力を伸ばすのに、1番大切な力についてお話ししたいと思います。





「どんな力かたった一つだけ選べ」と言われたら、私は迷わず、語彙力を選びます。
なぜなら、人は、「言葉」で物事を考え、「言葉」で相手に伝える生き物であり、私たちは、自分がもっていない言葉では、考えたり、表現したりすることができないからです。
適切な語彙が、深い思考をするに当たって役に立ち、分かりやすくコミュニケーションをするに当たっても役に立ちます。
つまり、語彙力が、子どもの論理的思考力やコミュニケーション能力を伸ばすと、私は考えています。





とは言え、「いきさつ」「内訳」「格式」など、小学校卒業までに覚えさせたい言葉は日常生活には出てきません。
日本に住んでいても、親や友達、近所の方との会話で、こういった言葉はそうそう出てきませんよね。
けれど、教科書やテレビ、新聞、雑誌などにはよく出てくる言葉なので、目にしたことがあるというお子さんもきっといることでしょう。
しかし、「私たちの住んでいる海外では…」と考えたときに、子どもの語彙力を伸ばすために、家でこつこつできることを二つ述べたいと思います。






1 本をたくさん読む

私たち人間は「1日○分やるだけで、すぐ痩せられる!」とか「たった3ヶ月聴くだけで、英語がペラペラになる!」といった謳い文句にとても弱いものです。
そう感じること自体は人間として至ってフツーのことなのですが、実際、何かのスキルをしっかり習得するには、それなりの時間を継続することが不可欠です。
試験前の一夜漬けで得た知識は、試験が終わった瞬間に忘れ去られていくのと同じです。




ですから、1日数分でもいいんです。毎日こつこつといろいろなジャンルの本を読み進め続けることをおすすめします。
物語、小説、マンガ、歴史、科学… もともと本を読むのが好きな子には、今はあまり読んでいないジャンルの本をそっと本棚に入れておいてあげると、すぐに「あれ?」と気付いてページを開くでしょう。
そこから、その子の興味関心が広がっていき、いろいろな語彙にふれることができたらしめたものです。
本を読むのがあまり好きではない子には、その子の興味をもちそうな本をそっとダイニングテーブルの上に置いておいてあげると、もしかしたら興味をもって本を開いてみるかもしれません。
自分の好きなことについては誰しも、「もっと知りたい」という知識欲をもっています。
そこから1日数分でも読書習慣がついていけば、新しい語彙に出会う機会も増えることでしょう。




日本の国語の教科書は良質な文章ばかりがのっていて、子どもの語彙力や読解力を鍛えるにはもってこいの教材です。
じょんじょんでは、その子が、教材のトピックにもともと興味があるかないかに関わらず、子どもにとって「自分事」として考えたくなるように授業の導入を工夫しています。






2 いろいろなテレビ番組を見る

我が家は、日本にいるときはテレビを全く見ない家でした。
しかし、渡米後、(今のところ予定はなくとも)本帰国したときに、日本の学校での学習にしっかりついて行ってほしい、さらに、いろいろなことに興味をもって学ぶことを楽しんでほしいという願いがあり、その延長線上に、良き学業成績があるだろうと考えたため、日本語語彙強化の一環として、テレビを見るようになりました。




ただし、見るものは、さまざまなジャンルのものを見ています。
はなかっぱ、ちびまる子ちゃんなどのアニメに始まり、NHK for School、住人十色、逃走中、戦闘中、リベ大、職場めし、ニュース番組… と、割といろいろなものを見ています。
どれも、NHKの公式サイトやTver, Youtubeなどで見られるものばかりです。
子どもがチャンネルの主導権を握るのは、学校からの帰宅後の30分と決め、その後はテレビを消したり、私の観たいものを一緒に見たりしています。




その中で、子どもたちの知らない言葉がたくさん出てきますが、「〜ってどういう意味?」と尋ねたり、前後の文脈を見ながら本人なりに類推したり、飛ばしたりして楽しんでいるようです。
テレビ効果か読書効果かは分かりませんが、7歳の長女は、「正午」「作戦」など2年生の子どもにとってはちょっと難しい言葉も、あまり抵抗なく受け入れられているようです。





海外在住でも国語力を伸ばしたいなら、語彙力は必須であることを今日はお話ししました。
ご家庭で語彙力強化を目指す場合は、さまざまなジャンルの本を読んだり一緒にテレビを見たりすることをおすすめしました。
じょんじょんでは、読解力や論理的思考力の伸長には、語彙力が不可欠であると考え、オリジナル漢字かるたやオリジナル漢字プリント、語彙力強化ドリルを活用しています。
海外でのびのび育ちながらも、すべての学習の基礎となる国語力をしっかり伸ばしたいという希望をもつお子さんや保護者の皆さまとのご縁を楽しみにしております。

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