海外在住にして、読解力を高めるには?

難関校の中学入試を考えている子にも、トップ校の高校入試を考えている子にもどの教科でも必要となる力は読解力です。
昨今の大学入試共通テストを見ていると、「論理的思考力を問う」という方向にシフトしてきています。
では、それをどうやってその力を測っているのかと注意深く観察してみると、どの教科でも長めの文章や図表を読み込んだ後で、そこから読み取ったこと・考え得ることを問うという形で論理的思考力を測っているようです。




となると、今後ますます大事になるであろう読解力ですが、よく誤解をされがちなのも、この力です。
「読書をすれば、読解力が伸びるんでしょ。」とは、よく聞かれることです。
しかし、読解力のあるお子さんが読書好きだったということはよくありますが、読書が好きなお子さんだから読解力が高いとは言い切れないところがあります。




日本の学校に勤めていたとき、読書が大好きだけれど国語のテストとなると点数が取れないというお子さんにたくさん出会いました。
そもそも、読書と読解は似てはいますが、全く別物です。
読書とは、自分の興味関心に合わせて、自分という人間のものの考え方のフィルターを通して、登場人物に感情移入したり、新たに知識を得たりする活動です。
一方、読解とは、筆者の伝えたかったことを正確に読み解く活動です。
読書は、主観的に文章を読むのに対し、読解は、客観的に文章を読む活動です。




例えば、4年生の教材「ごんぎつね」というお話を読むとします。
読書として読むのであれば、感じ方は個人の自由ですから、その子なりの色々な解釈ができるわけです。
「最後に死んでしまってかわいそう。」「けれど、いたずらはダメだよ。」などと、その子なりの価値基準で読むのを楽しめばいいだけです。
子どもの頃に読んだ話を大人になってから再度読んで、感じることが違うときがありますよね。
それは、読む人や読む時々によって感じ方や考え方が違うからです。
それが読書の良さの一つです。




ところが、読解となると話は変わります。
個人の感じ方・考え方からではなく、文章中の言葉や情景描写から答えを探すため、ある程度客観性をもつ答えにしぼられます。
長文読解の苦手なお子さんには、自分の感覚で読んでしまっているお子さんも割と多くいます。
ですから、「読解力を伸ばすには、読書がいいでしょ?」という質問には「う〜ん、惜しい!!」と私なら答えます。
けれど、海外に住み、読書活動だけで読解力を伸ばしたいと願うなら、私は次のことをおすすめします。




それは、物語、科学、伝記、地理、アートetc…色々なジャンルの本を読むことです。
ベネッセが行った調査によると、読書をしない子よりする子の方が読解力スコアが高い傾向にあるが、読書量と読解力スコアには比例関係が見られなかったそうです。
しかし、読書の多様性と読解力スコアには比例関係が見られたそうです。
(参考文献)https://berd.benesse.jp/berd/center/open/report/gakuryokukoujou/2006/chukan_pdf/gakukihon2006_07.pdf




つまり、異なるジャンルの本を読むほど読解力が高いという傾向が見られたそうです。
今の時代、有り難いことに、海外に住んでいてもKindleなどで子ども向けの本を読むことができます。
また、静岡市にある駿河屋さんという古本屋さんでは、2〜3ヶ月に1回、海外への送料無料キャンペーンを行っています。
フィギュアやゲームなどが充実したお店ですが、かいけつゾロリシリーズなど、子ども向けの絵本や小説もかなり充実しており、我が家もよくお世話になっています。
物語だけでなく、伝記や地理など、さまざまなジャンルの本を、お子さんと共に楽しく読んでみてくださいね。


のびのび進学塾・じょんじょんでは、客観的にさまざまな種類の文章を読み、
論理的に考えることの楽しさを子どもたちと共有しています。
「平日は学習、休日は今ここでしか経験できないことを。」「のびのび楽しみながら国語力を伸ばしたい。」
そんな希望をもつ生徒さん、保護者の皆さまとのご縁がつながりますことを楽しみにしております。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です