帰国後に算数で後伸びする子が、海外在住時にしていたこと
一般的によく言われるのが、「日本の算数の方がアメリカのよりレベルが高い」です。
確かに、小2の長女は、公立のモンテッソーリ小学校に通っていますが、日本の小学校で出題されるような文章題を学校で解いている気配はありません。
また、宿題もないため、彼女が現地校の算数で学んでいるのは、計算問題が中心となっているようです。
「これは大丈夫なのか?」と一抹の不安を感じましたが、すぐに、「大丈夫だろう。」と思い直しました。
というのも、今まで接してきた子たちの中には、帰国後に算数がググッと伸びた子たちがたくさんいたからです。
今日は、その子たちができていたこと、していたことについてお話ししたいと思います。
帰国後、算数が伸びた子たちは、漢字をしっかり読めていた!
意外に思うかもしれませんが、帰国後に算数がしっかり伸びた子たちは、海外在住時から漢字がよく読めていました。
書くことが得意だった子も、苦手意識を感じていた子もいましたが、総じて、どの子もよく読めていました。
なぜ読めることが大切かというと…
日本に帰国したとき、教科書や本、テレビ、新聞、看板、親の読む雑誌… さまざまなところで漢字を目にするようになります。
能動的であれ、受動的であれ、さまざまな日本語を目にすることで、子どもたちは、海外在住時には目にすることのなかったさまざまな知識を爆発的に吸収していきます。
そういった予備知識がある状態で、いざ学校での授業に取り組むと、今まで頭の中にあった知識・経験と、授業で得た知識・経験が結び付いて、子どもは納得感をもって学ぶことができます。
そうやって学ぶことで、授業がただの受け身の授業ではなく、自らの知恵となり、自ら考えられるようになり、学ぶことがますますおもしろくなるという好循環を生みます。
そういった子たちは、海外に住んでいたときから、漢字を読むことはとてもよくできていました。
では、じょんじょんの授業以外で、その子たちはおうちでどんなことをしていたのか、今日は3つご紹介したいと思います。
1 読みがな付きの本をたくさん読んでいた
このブログを読んでくださっているお父さん・お母さんたちは、「薔薇」という漢字を読むことができると思います。
小中学校では決して習うことのない漢字ですが、皆さん、なぜか読めますよね。
それは、「薔薇」を「バラ」と認識できるくらい多くの回数で、この漢字を見たことがあるからです。
子どもも全く同じです。
ある漢字をそれがそれだと認識できるくらい目に入るようにしていると、自然と、読めるようになってきます。
ちょうど昨日、小2の長女が、「幸」「残」「私」「皆」といった漢字が知らない間に読めるようになっていたことに気付き、とても驚きました。
子どもの吸収力の高さに改めて気付きました。正直、かなり羨ましいです(笑
ただ、読めない漢字ばかりの本だと、子どもの読む意欲が下がってしまうのも事実です。
そこで、じょんじょんでは、読みがな付きの本をオススメしています。
「科学漫画サバイバルシリーズ」などの学習マンガは、言葉の意味が分からなくても、漫画なので絵が理解を助けてくれます。
そのときは理解ができなくても、学校の授業で習ったり、別の機会に別の本を読んだりしたときに、「あぁ、こういうことか。」と理解ができるようになります。
ですから、子どもが理解していなくても、絵だけ見ているように見えても、子どもが好んでその本を読んでいるなら、ぜひたくさん読ませてあげてくださいね。
2 親子で本を一緒に読んでいた
(当時住んでいた静岡県での日帰り温泉にて。今は8歳の長女も、そのときは4歳でした。)
これは、読書があまり好きではないお父さん・お母さんにとっては、ちょっと聞きたくない話かもしれません。
ご自分に合わないことを無理に続けると、どこかで無理が生じます。
親も子どもも自然体が1番ですから、どうか、この章は、読み飛ばしてくださいね。
「親の背中を見て、子は育つ」ということわざがあります。
子どもは、私たち親が言っていること以上に、やっていることを見て、それを手本として生きていきます。
もちろん、子どもの育ちのすべての責任が親にあるわけではありません。
その子が生まれ持った遺伝や学校、社会といったすべての要素が複雑に絡み合って、その子の人格を形成していくため、親はその一部でしかありません。
ただ、割と、大きな影響力をもつ、「一部」の一つかと思います。
子どもは、楽しいことが大好きです。
親が読書が好きで、本を楽しそうに読む姿を見ている子なら、自然と本を手に取る機会も増えていくでしょう。
とは言っても、まだ子どもです。
まだまだ読むことに抵抗があったり、読めない漢字ばかりだったりで、特に小学生のうちは読み聞かせをする機会も多いことでしょう。
長女が年長さんの頃、かいけつゾロリシリーズに興味をもちましたが、彼女は全く読めなかったため、私が読み聞かせをしていました。
1冊読み終わるのに30分ほど掛かり、しかも、寝る前の本にゾロリを選んでいたため、内心「うっ」と思ったことも1度や2度ではありません。
「うっ」と思ったときは、「今日は遅いから、〜ページまでね。」と断ってから読み、私の元気のあるときは1冊丸々読んでいました。
もちろん、小学校高学年になっても、子どもが嫌がっていなければ、読み聞かせはとても有効だと思います。
そのくらい大きくなったら、同じ本を読み、互いに思ったことや考えたことを話し合うのも、子どもの思考を深めるのにとてもいいです。
そのときは、たとえ、子どもの考え方が拙くても、親から見たら「間違っている」ように聞こえても、まずは「うんうん、あなたはそう思ったのね。」と受け止めてから、「私は…」と親の意見を伝えると、有意義な時間が過ごせるんじゃないかなと思います。
3 日本語のテレビを字幕付きで見ていた
私が留学していた20年ほど前には、日本語のテレビは、大都会のホテルのテレビで見られるNHKワールドしかありませんでした。
テクノロジーが発達したおかげで、今は、NHK for school、NHK プラスに始まり、Huluやネットフリックス、Tver、Youtubeなど、色々な日本語の動画が海外でも見られるようになりましたね。
有料・無料問わず、さまざまな選択肢があることがとてもありがたいです!!
今まで我が家は、NHK for schoolとYoutubeにかなりお世話になっていましたが、今夏からVPNを導入することを検討しています。
Tverが見られるようになったら、「ポツンと一軒家」と「逃走中」を見たいです。あ〜、楽しみ。
話が逸れましたが、じょんじょんでは、そういった日本語のテレビを、字幕付きで見ていたお子さんがちらほらいました。
「日本語のテレビを字幕付きで見る」というお母さん・お父さんのアイディアに「なるほど!」と手を叩いて、うなりました。
聞いただけでは分からない言葉も、字幕を見ることで理解できることがあります。
そこで理解できなくても、字を読むことで「〜って、どういう意味?」と親に尋ねるハードルが下がります。
つまり、知らない言葉を聞いて、そのままサーっと流れてしまっていたものが、字幕があることで心に引っ掛かる可能性がグッと上がります。
このアイディアは、私にはなかったもので、子どもたちをよく見ているお母さん・お父さんならではのアイディアだなと感動したことをよく覚えています。
まとめ
今日は、帰国後、算数で後伸びした子たちが、海外在住時からできていたことについてお話しました。
海外に住んでいるときから、漢字を読むことはできるようにしておきたいなと改めて思いました。
しかし、私は、海外で「宿題漬け」「詰め込み教育」でなくとも、子どもの語彙力・読解力・思考力・発信力は伸ばすことができると考えている教育者であり、一人の母親です。
こちらが教えることはきっちり教えつつも、子どもの思いや考え、生活経験を引き出しながら、新出漢字を学んだり長文読解をしたり、作文を書いたりすることで、「楽しいな。」「自分でできたぞ。」「もっとやりたい。」といった、すべての学習の基礎となる意欲を引き出す授業をしています。
お互い立場は異なりますが、子どもの幸せを願う気持ちは同じです。
海外に住んでいるどの子も、国語の学習を楽しみますように!!